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  62 築地市場は去ったけれど..... : keity10月11日(木)21:51  [レス]  [削除]
豊洲市場が本日開業したが、ニュースなどを見ると、いろいろな課題も出てきて、これから大変だろう。生まれ変わったブランドとして頑張ってほしいと思う。
築地の場外市場はそのまま残ったが、肝腎の市場が消えたことで、今後、どう変わっていくのだろうか。
わたしにとって、特に場外市場は思い出深いところである。タウン誌の編集や取材をしていた関係から頻繁に足を運んだものだった。当時から場外市場では、市場の移転を踏まえ、未来へ向けた町づくりを目指していた。
先日、場外市場の鮭専門店・昭和食品で働く佐藤友美子さんから著書を恵贈いただいた。『築地ー鮭屋の小僧が見たこと聞いたこと』。7月に築地で会ったときに執筆中と聞いていたが、市場の移転に合わせ、かなり急ピッチで出版に漕ぎつけられたのだろう。
佐藤さんはフリーライター時代に築地見物をしてその魅力にとりつかれ、場外市場の鮭屋さんでアルバイト。それが縁で鮭屋さんで働くこと30年。
本書は、築地で見たこと、聞いたことを臨場感あふれる筆致で描いている。さらに、築地の歴史にもふれ、また、鮭はもちろん、さまざまな魚を河岸で買い求めては調理するという楽しみをも伝えるものである。
わたしは佐藤さんには大変お世話になった。築地の情報や興味深い人物を紹介してくれたし、魚のおいしい店にも連れて行っていただき、お酒も飲んだ。いろいろな話をして、その度に佐藤さんは本当に築地、そこで働く人たち、そして魚たちが好きなのだなとうれしく思った。私のようなよそ者が築地を取材するというのは、おこがましくもあったが、佐藤さんのおかげもあり、楽しく取材させてもらったのだった。

『築地の記憶』(2016年5月刊行)は築地市場に勤務していた富岡一成さんの文と、河岸の文化に魅せられ、2012年から築地市場の撮影をしている写真家のさいとうさだちかさんの写真で構成された記憶と記録の本だ。7月、コーヒーショップ・ヨネモトの店主から「富岡くん、本出したんだよ。知ってた?」と聞かされ、築地の書店で買い求めた。佐藤さんの著書とは違い、こちらは客観的に築地市場をとらえている。そうはいっても、富岡さんも市場に魅せられた一人である。歴史にも魚にも精通していて語り口は熱く、ときどき噺家っぽくなって、読んでいるといろいろ発見があって面白い。
そういえば、佐藤さんから富岡さんを紹介され、酒席を共にしたこともあったのだった。
築地から遠く離れて10年余。市場は豊洲に移転してしまったけれど、こうして築地に愛情を注いだ二人の本に出会えてうれしい。


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