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  17 読了。 : keity06月09日(土)21:08  [レス]  [削除]
昨年、刊行されてすぐに買った村上春樹の「騎士団長殺し」をようやく読んだ。何んというか、これまでになく疲れを感じた。それほど感銘も受けなかった。果 たして、この物語、上巻下巻にする必要があったのか?という疑問。読者にとっては少なからず不満のあるところだが、作者にとっては何一つ無駄なものはない といいたいのかもしれない。何年ぶりかの彼の書き下ろし長編なので上巻下巻で売り出そうという出版社の戦略が見え隠れしているように感じられて、少しばか り興ざめか(あくまで個人的、すみません)。

主人公は妻に別れを告げられた肖像画を描く画家である。住む人のいなくなった友人の実家に越 して来て、屋根裏に友人の父が描いたと思われる絵画を見つける。「騎士団長殺し」というタイトルで、そこに描かれているのは夥しい血、剣を持った二人の男 は老いた騎士団長と若い男、穴の中から長い顔をのぞかせた男、そして女もいる。端的にいえば、絵の中の人物が飛び出して、主人公と関わりを持っていく話だ。主人公をとりまく人物の言動や彼の過去と現実の時間を交えた、イデア(観念)とメタファー(隠喩)のせめぎあいの冒険譚、あるいは奇譚、ファンタジーというか。。。 村上春樹がこれまでに描いたいくつかの長編の特徴的手法をシェイクしたような作品にも思えて、新鮮さが感じられなかった。しかし、そうはいっても、構成は緻密で、着想も文章もすぐれているし、洞察力もある。ハルキワールド全開。ファンタジーの世界。上巻の前半部はけっこうわくわくしていたのだけれどね。読むには読んだが、ラストは丸く収めてしまったという感じがしてならない。なぜだろうか?わからない。

細かいところでは、主人公が描く何点かの肖像画の描写から、それがどんな絵画なのか、イメージできなかった。フォルムはなんとなくイメージできても色彩のほうをイメージできなかった。嗚呼、自分には想像力がないのだな、頭が錆び付いてしまったかなとがっかりもした。
そんなこんなで、もう一度読めば、この作品の面白さがわかるのだろうか、と混沌状態。

そのあと、一年ぐらい積ん読状態にあった小川洋子の「不時着する流星たち」を読み始めたのだった。


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