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発言番号23
名 前keity
タイトル読了。
コメント「不時着する流星たち」小川洋子著。

10話からなる短編集である。それぞれの作品の核となるのは、著者が興味をもった人物や事象、たとえばヘンリー・ダーガーやグレン・グールド、牧野富太郎、<バルセロナオリンピック・男子バレーボールアメリカ代表>などをモチーフに、独特な視点と解釈で作り上げる世界である。
第1話の「誘惑の女王」は、<私>が年のはなれた血のつながりのない姉のエピソードを子ども時代に遡って語る。それらの一つ一つが事実だとしても、あるいは<私>の作り話だとしても、遠い記憶の中の風変わりな姉への興味を掻き立てられた妹の心象風景が広がり、幻想的で不思議な味わいをもつ。そして、作品の最後に、著者自身が書いたヘンリー・ダーガーという人物についてふれている。ああ、そういうことなのか、とあらためて著者の想像力と表現力にため息すら出てくるのだった。
10話目の「十三人きょうだい」、切なくも優しい語り口でとても印象深く、好みの作品だ。これは植物学者の牧野富太郎をモチーフにしている。ここで初めて、昭和2年に牧野が妻の寿衛子が亡くなり、仙台で見つけた笹に寿衛子笹(スエコザサ)と命名したという事実を知る。そして、牧野は「雑草という名の植物はない」と発言したんだね。ほんと、そのとおりだと思う。
それにしても小川洋子、短編集に「不時着する流星たち」とは素敵なタイトルをつけたもんだなーと、つくづく感心する。不時着だよー、想像力が跳びはねってどこに着陸するかわからないのだよね。そんな短編集なのである。

それで、夕方、名前はついているがわたしが詳しく知らないだけの草たちを刈りながら、複雑な思いに駆られてしまう。みんな与えられた命を生きているのだった。
おまけに小一時間ほどの草刈りが終わって家に入ろうとしたら、大きなハチ(多分、スズメバチ)がブーンブーンと寄ってきたので、思わず「わああ」と声を出し、あわててドアを開けて中へ。昨年、玄関灯にアシナガバチの巣を作られてしまったので、やはり、ハチはこわい。それがスズメバチとあってはなおさらだ。

BGMは、小川洋子もモチーフに一本書いているのだからと思って探したのは、グレン・グールド。やっと見つかったよ、「ゴールドベルク変奏曲」!
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