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発言番号18
名 前keity
タイトル映画感想。
コメント先日観たのは「ファントム・スレッド」@ディノスシネマズ
ダニエル・デイ=ルイスの引退作だというが、信じられない。
本作で彼が演じるのは、1950年代の英国で活躍するファッション・デザイナーである。
冒頭シーン、朝の身支度をする彼の姿に目が釘付けになってしまう。まずは髭を剃り、次に顔のむだ毛を処理していく。なんと、鼻毛や耳穴あたりの毛まで小さなハサミで切るその所作でさえ、顔と手指が美しいので優雅である。たとえば、他の誰かが同じことをしても、それはただのおっさんの鼻毛切りになってしまうだろう(失礼!)。そして丁寧に髪を梳かし、渋めのチェルシー・ピンクっぽい長めのソックスを履き、ネクタイをしめる。このシーンだけで、うっとりしてしまうのだ。
そんな彼が訪れた小さなレストランで働く若いウェイトレスの理想的な体型に一目惚れし、彼女をモデルとしてドレスを作っていく。完全主義者の彼は仕事も私生活も自分の流儀を貫き、他者を受け付けない頑さがあり、一方の彼女はモデルとしての自分ではなく、生身の女として愛されたいと願う。いつしか女の少々エキセントリックな言動が、男の内面に変化もたらしていく。そのプロセスが実に巧妙にじわりじわりと描かれていて、どきどきする。男と女の心理的な駆け引きの先にあるのは何か? 意表をつく結末が待っている。
彼にとって彼女はミューズなのか、ファムファタールなのか。いずれにしても、こんなにいびつでストイックで官能的で少し滑稽な<ラブストーリー>は初めてだ。
登場するオートクチュールの数々は目を見はるばかりの美しさで、ため息が出てくるほど。また、レディオヘッドのメンバーのジョニー・グリーンウッドのクラシカルな音楽は物語に濃淡の趣きを添えている。
嗚呼、これを最後にデイ・ルイスの新作を見られないというのは、本当に寂しいやら悲しいやら。。。
観客は女性が多く、男性は5人ほどだった。
予告編で、フランソワ・オゾン監督の「2重螺旋の恋人」が流れた。双子の男二人(精神分析医)と女の話。昔観た「戦慄の絆」を思い出す。面白そうだ。
わ、時間はあっというまに過ぎていくのね。

*画像はパンフレットの中面。
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